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外出制限期間中の高齢者の日常生活とフレイルとの関連

 私たちの日常生活はCOVID-19によって、大きな影響を受けました。New Normal(新しい日常生活)とも言われ、普段の生活の中で感染症予防対策が求められております。
 このような背景で、極めて強い影響を受けたのは、オンラインによるテレワークや授業を求められた勤労世代や学生・生徒だけではありません。
 ICT利用率が低い地域の高齢者にとっては大変大きな問題となっておりました。高齢者の日常生活は地域活動を基盤としますが、COVID-19によってその地域活動再開の目途が立たないことが多くあります。地域活動の停滞は、①健康や食事・栄養に関する情報共有の阻害 ②コミュニティの希薄化 ③身体活動量の低下 などを引き起こすことが考えられます。最近高齢期の健康問題として、フレイルが取り上げられておりますが、地域活動の停滞はフレイルへのリスクを加速化するものと考えられます。
 本研究グループでは昨年5月に地域高齢者約500名に外出制限期間中の生活に関する調査を行い、Ⅰ.外出制限期間中の食生活はフレイルと関連すること Ⅱ.外出制限による社会活動の停滞はフレイルと関連することを報告しました。
 まさにCOVID-19による外出制限による①健康や食事・栄養に関する情報共有の阻害 ②コミュニティの希薄化 によって高齢者のフレイルへのリスクを高める可能性があることが示唆されました。今回の結果は横断研究の結果であるため、今後は、縦断研究による調査・研究が求められます。
 一方で、今後はこれらの成果をもとに、外出自粛中の高齢者の健康の維持・増進に寄与する支援方法を実践していきたいと思います。

【Ⅰ.外出制限期間中の食生活はフレイルと関連すること】のリンクはこちら
【Ⅱ.外出制限による社会活動の停滞はフレイルと関連すること】のリンクは今後お知らせします。