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「食品ロス問題」への挑戦~「新しい食品冷凍技術」の確立へ向けて~:分子栄養学研究室

 私たちの研究室では、世界的な食糧問題の中で我が国が直面している「食品ロス問題」の解決へ向け、「生鮮食品」の凍結保存技術の開発にアビー(株)との共同研究で取り組んでいます。

 食品加工技術の進歩により、いろいろな冷凍食品が開発されていますが、「生鮮食品」をそのまま凍結して元に戻すことは困難とされてきました。これは、凍結により水が氷になるときに、その体積が1.1倍に膨張することで、生の組織を破壊し、含まれている成分が壊れてしまうためのです。身近な例でいうと、缶ジュースを冷凍庫で凍らすと破裂してしまう現象と同じです。今回、私たちは、新しい凍結技術(CAS:Cells Alive System)により、傷みやすい生鮮魚介類(サバ・マグロ)の凍結解凍における大幅な品質の改善効果を証明することに成功しました。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0011224019302081

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352340920307460

 「獲れたての鮮度」そのままの状態で安全に維持できる新規凍結保存方法が、今後広く利用されることが期待されます。この技術は、外食産業においても備蓄が可能になるので、いつどれぐらいのお客様が来店されるか分からない「コロナ禍」中でも、いつでも新鮮でおいしい食材・料理を提供することが可能とします。

 新しく開設された食創造科学で、私たちとともに「食品ロス問題」の解決に向けた新たな技術開発研究に挑戦してみませんか?チャレンジ精神と「食」への熱い想いを持つ学生さんを待っています!